第1回 芦響ってこんなオーケストラ(1995.5.6)

芦響の今までの活動データ、メンバー像、団員による芦響のイメージの3つの項目を過去の資料、団員へのアンケートを元に作成ました。

芦響今までの活動データ

団員数 / 最多出演者数 / 最多観客動員数 / 指揮者別回数 / 作曲者及び曲別頻度 / 活動範囲 / 年間練習日数

芦響のメンバー像

年齢 / 楽器経験年数 / 在団年数 / 個人練習の回数 / 団員の趣味,特技,資格 / 団員はどんな音楽を聴くのか? / 居住地分布 / 仕事 / アフター芦響の過ごし方 / 芦響のない土・日の過ごし方

団員による芦響のイメージ




芦響今までの活動データ


○ 団員数

現在 114名(男性67名、女性47名)。過去最多 122名(1992年)、過去最少 7名(1967年)
7名で結成された芦響も18回定期(’82.5)には100人を越え、その後は徐々に増員され、39回定期(’92.11)頃には122名の大所帯となった。その後は若干減少し、115名程度で推移している。やはり120名程度が市民オケの限界数なのだろうか。


○ 最多出演者数

合唱あり ショスタコーヴィッチ「森の歌」15回定期(’82.10)。オケ118名(エキストラ13名、バンダ含)合唱 360名  指揮者 芥川也寸志
合唱なし マーラー「交響曲第6番」30回定期(’88.6)。オケ143名(エキストラ30名含) 指揮者 湯浅卓雄


○ 最多観客動員数

マーラー「交響曲5番」34回定期(’90.6)。推定1710〜1720名(通常1400〜1500名)
ちなみにシンフォニーホールの定員は補助席なしで1704名であるが、この演奏会は予想を上回る動員数であったため、パンフレットが不足し団員には行き渡らなかった、というエピソードがある。故にそのパンフレットは、我が団では貴重品となっている。


○ 指揮者別回数(定期)

1位  芥川 也寸志 8回
2位 ビット・ハウエル 7回
2位 湯浅 卓雄 7回
4位 松尾 葉子 6回
5位 飯森 範親 4回
(1996年10月1日現在でのデータです)
8回定期までは団内指揮者が、10周年(9回定期)より芥川氏が音楽監督に、15〜24回定期までハウエル氏が常任指揮者となったため、上位を占める結果となった。近年は湯浅、松尾、飯森各氏の指揮が中心となっている。また定期演奏会以外では松尾先生と第九公演を過去4回(淡路、芦屋、姫路、綾部)行っている。


○ 作曲家及び曲別頻度

注)1−45回定期演奏会で演奏した全曲を対象に調査した。(アンコールは除く)


作曲者 1-10 1-20 21-30 31- 総計
1位 ベートーベン 17
2位 モーツァルト 14
3位 ブラームス 11
cf. マーラー
cf. R.シュトラウス
cf. ラヴェル
cf. レスピーギ

演奏会で見れば、上位3作曲家が多いが、細分化してみればモーツァルト、ベートーヴェンは明らかに減少傾向にある。しかしながら芦響が不得意と言われるブラームスは根強く残っている。近年ではマーラー、R.シュトラウス、ラヴェル、レスピーギなどが急増し、又今世紀活躍した作曲家が増加している。 過去3度演奏した曲は、ベートーヴェン「交響曲7番」、ワーグナー「ニュルンベルグのマイスタージンガー前奏曲」がある。又、2度演奏した曲は計12曲あった。曲と曲との間隔の平均年数を出したところ、約9年であった。学生オケでは基本的には4年でメンバーが入れ替わるので最短4年で再度取り上げられるが、入れ替わりの少ない市民オケではかなりの年数を要すると思われる。


○ 活動範囲(国内)

東及び北端   摂津  1986年
西端      姫路  1990年
南端      洲本  1983、1992年
注)50名以上のオーケストラ編成で芦響の公式行事としての活動に限る。
cf.国外では北及び西端はベルリン 1993年 (於 欧州演奏旅行)
 上より、意外に活動範囲が狭いことがわかる。特に北といえる土地には殆ど行っていない。ちなみに非公認記録では、有志約30名で信州黒姫で野外コンサート(’93.7)を行ったのが、北及び東端となる。つまり、芦響はフル編成では、合宿(年2回三田で実施)でしか六甲山を越えられないのだろうか。そう考えると一昨年に行ったヨーロッパツアーは、暴挙であったと言えよう。


○ 年間練習日数(’94.5.6〜’95.5.5)

全48回 42回定期8回
43回定期26回
その他のイベント14回
*震災のため、'95.1.16〜4.8まで休止
〔協力 ob小林、Hr坂下両氏〕





芦響のメンバー像


○ 年齢

現在の団員の最高齢は51歳、最年少は22歳。全団員の平均は32.1歳となっている(年齢はいずれも1995年5月6日現在)。パートによる差はほとんどないが、セクション別(高弦、低弦、木管、金管)で見ると、金管セクションの平均34.8歳という数字が光っている。しかし、金管楽器の性質上(かどうかは知らないが)、芦響の中で一番元気でうるさいのはこの金管セクションである。 尚、過去の団員について、在団年数の長い団員に記憶をたどっていただいたところ、これまでの最高齢記録は66歳、同じく最年少記録は17歳であることがわかった。ちなみに最高齢記録の保持者は、現在我が芦屋交響楽団団長の松島氏である。


○ 楽器経験年数

(楽器経験年数〉

最長45年、最短5年、全団員の平均17.2年。
また経験年数が同じ人たちのトップ3は、16年が11人、12年と14年がそれぞれ9人となっている。パート別では、トランペットの平均22.8年という数字が目立つ。やはり経験年数はパート平均年齢に比例するということの現れであろうか。


〈オーケストラ経験年数〉

最長34年、最短1年、全団員の平均13.2年。
こちらのトップ3は、10年が18人、9年が13人、14年と16年がそれぞれ8人である。パート別では、オーボエの平均7.7年が他のパートに比べて短いが、これはパート員5名の内、2名が大学を卒業して数年の若い女性であるため。
cf.大学オケの出身者が団員の約85%いる。出身大学ではやはり地元ということで神戸大や関西学院大が多いが、3番手には立命館大と共に意外にも岡山大出身者が健闘している。この理由については時期を改めて探ってみたい。 

○ 在団年数

これは芦響に入団して初めての演奏会をもとに調べたものである。結果は、最長22年(彼は芦響の“歩く”歴史と言われている)、平均は6.8年であった。ちなみに、今から4〜5年前に入団した団員の割合が最も多い。


○ 個人練習の回数

芦響の練習以外にどれくらい個人練習しているか、という質問に対しては、殆ど楽器を触らない人からほぼ毎日練習している人まで、幅広い答えが返ってきた。比較的多かったのが、「週に1日程度」というもの。やはり自宅で練習するのは、今のご時世では難しいようである。その分、tutti(合奏)でうっぷんを晴らすかのように楽器を鳴らしまくっている。


○ 団員の趣味・特技・資格

テニス・スキー・スキューバダイビングなどのスポーツ派や、読書、料理など、比較的普通(失礼)の趣味を持つ団員が多い。変わったところでは「フラメンコを踊りまくる」「仕舞をする」などという者もいた。特技では「ソーセージを飲む」「英検1級で特技は通訳」という強者もいて、芦響団員の層の厚さを改めて感じさせられた。


○ 団員はどんな音楽を聴くのか?

これもクラシックしか聴かない、という人から、ハードロックが好き、と言う人まで、いろんなジャンルにわたって回答があったが、その中でジャズと答えた団員が比較的多かった。クラシックとジャズ、何か関係でもあるのだろうか。


○ 居住地分布


芦屋市を中心とした阪神間で見ると81人(神戸と大阪を含む)と、全団員の7割を占めている。長距離組では奈良市2人、滋賀県甲賀郡1人、さらには今治市や四日市市、はては東京からわざわざ練習に来る団員もおり、この練習熱心さは頭が下がる思いである。
上記の囲みの中の文章は、2月18日の演奏会で発表する予定であったものである。が、この度の震災で少々移動があったので、以下に述べたいと思う。
長期間(家の補修、立て替えの間)避難する者も含めた転居の人数は思ったより少なかった。2月18日現在市外への転居は全て神戸市から他市へのもので、転居先は大津市2名、大阪市、伊丹市、茨木市、松原市、静岡市各1名 の計7名であった。また、ライフラインの復旧までなど、一時的な避難者は計11名であった。 [To INDEX]


○ 仕事

1位 電機メーカー21人  2位 教師 11人  3位 主婦 10人 
多いとは思っていたが、電機メーカー社員がこんなに多かったとは。これは彼らの仕事がヒマ・・・なわけではなく、宴会好き・・・なわけでもなく、他の職種と比べると趣味の時間を捻出しやすいからだろうか。これは2位の教師にも言えることだろう。とは言っても殆どの人が忙しい時間の合間を縫って練習にやって来ている。 [To INDEX]


○ アフター芦響の過ごし方

1位 まっすぐ家に帰る
2位 宴会をしにいく
3位 お茶を飲みに行く
ほぼ予想通りの結果と言うべきか。ただ感心なことは、主婦だけでなく、家庭持ちの男性で、家に帰って家事・育児に勤しんでいる人が結構多いこと。他には、楽器から離れられず、更に別の練習に行く人、麻雀に走る人も。 [To INDEX]


○ 芦響のない土・日の過ごし方

1位・家にいる、2位・遊びに行く、 3位・買い物、4位・家族と出かける。
仕事、家にいるといっても、ごろごろしているのから、子守、農作業まで。もちろん、楽器の練習をする人も少しは、いる。遊ぶ内容はパチンコから各種スポーツまで幅広い。 その他、アンサンブルをしたり、やっぱりお酒を飲んでいたり、たまの休みなので何をしていいかわからず困っている人もいるらしい。




団員による芦響のイメージ

100人100色(?)とはよく言ったもので、イメージはまとめ様のないくらい、バラバラだった。が、あえて類似の言葉を集めてみたところ、“元気”“明るい”“賑やか”“面白い”など、静かな大人しいイメージとは対極の言葉が並んだ。しかしそのオケを形作っているのは、“色々な”“マニアックな”“皆ばらばら”なメンバー達だ。そしてそのオケを“家族”“私の全て”と思い、“エネルギー源”にしている人もいる。芦響という集団についてのイメージが多かった中で、音楽に関しては、“前向き”“大きな曲をやるオケ”という声や、少し辛口の、“少し甘い”“(音楽的に)融通が利かない”“アンサンブルが下手”との声も。 けれども“土・日にはいかなあかんところ”これが一番納得いくような気もする。




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